新卒で大学病院の循環器内科に入職したとき、私は「看護師として何もできない」ことを痛感しました。
医療ドラマで見るような緊迫した現場、専門用語が飛び交うナースステーション。最初の数ヶ月は毎日必死でついていくのが精一杯でした。今回は、そのリアルな経験をお話しします。
大学病院の循環器内科を選んだ理由
新卒のとき、「どうせ働くなら一番レベルの高い環境で学びたい」という気持ちがありました。大学病院は設備も整っていて、最先端の医療が学べる環境。循環器内科は処置も多く、スキルが身につくと聞いていました。
しかし実際に入職してみると、想像とは全然違う現実が待っていました。
主な仕事内容
循環器内科での仕事は多岐にわたります。
- CAG(冠動脈造影)・PCI(経皮的冠動脈インターベンション)の手術出し
- アブレーション(不整脈の治療)の検査出し・介助
- 術後患者の観察(バイタルサイン、穿刺部位の確認など)
- 点滴・薬剤投与
- 心電図モニターの判読
- 日常生活のケア(清拭・食事介助・排泄ケアなど)
特に心電図モニターの判読は最初の壁でした。正常洞調律とさまざまな不整脈の波形を区別する必要があり、覚えることが膨大です。
職場の人間関係がすべてだと悟った
先輩には本当に色々な方がいました。
丁寧に教えてくれる優しい先輩もいれば、「それくらい自分で考えなさい」と厳しい先輩も。仕事ができるタイプではなかった私は、先輩からの当たりが強く感じることも多かったです。
「職場って、人間関係がすべてだな」
これは今でも私の中に残っている実感です。どんなに医療技術が高くても、チームの雰囲気や人間関係が悪ければ、仕事は辛くなる。逆に人間関係が良ければ、多少大変でも乗り越えられる。これは8回の転職を経験した今でも変わらない考えです。
大学病院看護師の特殊事情(約20年前の話)
当時、大学病院では採血やルートキープは研修医の仕事でした。そのため、私は大学病院に勤務している間、採血の手技を習得する機会がほとんどありませんでした。
これは大学病院ならではの特殊な環境です。現在は施設によって異なりますが、大学病院から中小病院やクリニックへ転職する際に「採血ができない」というギャップを感じる看護師は少なくありません。転職前に確認しておくことをおすすめします。
スピードについていけず、早期退職
正直に言うと、私はスピードについていけませんでした。
循環器内科は緊急入院・緊急手術が多く、常にテキパキと動くことが求められます。私は元々テキパキしたタイプではなかったため、毎日がいっぱいいっぱい。「申し訳ない」という気持ちが積み重なり、早めに退職することを選びました。
急性期看護の経験は財産になった
短期間でしたが、循環器内科での経験は今でも財産だと思っています。
- 心電図の基礎知識が身についた
- 急変時の対応の流れを肌で感じられた
- 手術室・カテーテル室での動き方を学んだ
- 急性期患者への観察力が鍛えられた
その後の転職先でも「循環器内科の経験がある」というだけで、評価してもらえる場面がありました。
向いている人・向いていない人
向いている人
- テキパキ動くのが得意な人
- 緊張感のある環境が好きな人
- 心臓・循環器系に興味がある人
- スキルアップ・知識習得に貪欲な人
向いていない人(私のような)
- じっくり患者さんと関わりたい人
- マイペースに仕事をしたい人
- 慢性期・療養型の方が合っている人
私は「自分は慢性期の方が向いているかも」と感じた経験でした。これはけっして悪いことではなく、自分に合った働き方を知るための大切な気づきだったと思っています。
まとめ
大学病院の循環器内科は、急性期看護のスキルを短期間で集中して学べる環境です。ただし、スピード感と精神的なタフさが求められます。
人間関係や職場の雰囲気は、その後の仕事の質にも直結します。転職を考えている方は、給与・スキルだけでなく、職場の雰囲気・チームの文化も必ずチェックしてください。
転職先の職場環境を事前に確認するには、転職エージェントに内部情報を聞くのが一番早い方法です。私も転職エージェントを活用して、職場の実態を事前にリサーチしてきました。