「イベント救護って実際どんな仕事?」
私はこれまで花火大会・幕張メッセでの大型イベント・大人の運動会など、さまざまなイベント救護を単発で経験してきました。病院勤務とはまったく違う緊張感と、「看護師でよかった」と思える場面が詰まっています。
この記事では、現場のリアルな体験をもとに、イベント救護の仕事内容・心構え・準備のコツをお伝えします。
イベント救護ってどんな仕事?
イベント救護とは、コンサート・スポーツイベント・花火大会などの会場に看護師や救急救命士が救護員として待機し、体調不良者・怪我人に対応する仕事です。
私が経験した主なイベントはこちら:
- 花火大会(屋外・夏・長時間待機あり)
- 幕張メッセでの大型イベント(大人数・密集・熱気)
- 大人の運動会(激しい動きによる外傷が多い)
夏のイベントは熱中症との戦い
夏場のイベント救護で圧倒的に多いのが熱中症です。炎天下での長時間待機・人混みの熱気・水分補給を忘れがちな来場者…条件が揃いすぎています。
救護テントには次々と体調不良者がやってきます。
熱中症対応の流れ
- バイタルサイン測定(体温・血圧・脈拍・SpO2)
- 意識レベルの確認
- 涼しい場所への移動・クーリング
- 経口補水・点滴(物品があれば)
- 救急搬送か経過観察かの判断
この最後の「搬送するか、しないか」の判断が最も重要で、かつ難しいところです。
実際にあった事例:熱中症→痙攣→頭部外傷
あるイベントでこんなケースがありました。
熱中症で体調を崩した方が痙攣を起こし、そのまま転倒。頭部を強打し意識不明の状態になったのです。
熱中症単独であれば経過観察で対応できるケースも多いですが、このように複合的な重症化が起きることがあります。
このケースは即座に救急要請し、搬送対応となりました。
教訓:熱中症は「軽症に見えても急変する」。意識レベルの変化・痙攣・転倒には常に最悪のシナリオを想定しておくこと。
意外な事例:歯が折れた患者さん
「先ほど転倒して…」と折れた歯を手に持って救護テントに来た患者さんがいました。
歯が部分的に折れたケースです。このとき大切なのがスピード。
歯が折れた時の対応
- 折れた断片を乾燥させると再接着の可能性が低くなる
- 歯の断片を**牛乳・生理食塩水・口の中(頬の内側)**に入れて保存する
- できるだけ早く歯科を受診するよう伝える
その場で歯科受診を強く勧め、当日中に受診してもらったところ、その日のうちに修復できたという連絡をもらいました。
救護テントでできる処置は限られていますが、正しい情報を伝えることで救える結果がある、と実感した事例でした。
現場に入る前に必ず確認すること
イベント救護は「準備が9割」と言っても過言ではありません。
✅ 事前確認リスト
- AEDの設置場所(複数ある場合は全て把握)
- 救急搬送時の動線と出口
- 救急要請の連絡先・手順(主催者経由か直接119番か)
- 使用できる物品・医薬品の確認(点滴セット・酸素ボンベの有無など)
- 医師・救急救命士の有無と役割分担
- 記録様式の確認(救護記録票の書き方)
特にAEDの場所確認は必須です。いざというとき「どこにあるか」を考えている時間はありません。
複数日勤務のときの裏ワザ
同じイベントに2日・3日と連続で入る場合は、前日の勤務で「あれがあればよかった」と感じた物品を主催者に伝えると、翌日用意してもらえることがあります。
例えば:
- 冷却スプレー・アイスノンの追加
- 経口補水液のストック補充
- 日よけ用のパラソルやテント
- 簡易ベッドやリクライニングチェア
遠慮せずに伝えることで、翌日の現場が確実に動きやすくなります。現場の改善提案ができる看護師は主催者からも信頼されます。
イベント救護に向いている人
✅ 臨機応変な対応が得意 ✅ 救急・急変対応の経験がある ✅ 単発・副業で収入を増やしたい ✅ 非日常の空気感が好き ✅ コミュニケーションが得意
イベント救護に不向きな人
❌ マニュアル通りでないと不安 ❌ 急変時に焦ってしまう ❌ 長時間の立ち仕事・屋外が苦手
給与の目安
イベント救護の単発バイトの相場は以下の通りです(目安):
| 勤務時間 | 日給の目安 |
|---|---|
| 4〜6時間 | 15,000〜25,000円 |
| 8〜10時間 | 25,000〜40,000円 |
大型イベントや医師帯同なしの現場は単価が高くなる傾向があります。
まとめ
イベント救護は「楽そう」に見えて、実は高い判断力と準備が求められる仕事です。
- 熱中症は急変する → 搬送判断を迷わない
- AEDの場所は必ず事前確認
- 歯の外傷は乾燥が大敵 → 速やかな歯科受診を促す
- 連続勤務なら前日に物品リクエスト
副業・スポット収入として取り組みながら、普段の病棟では経験できない対応力が身につく。それがイベント救護の魅力です。